県庁おもてなし課/有川浩

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初めて有川浩の小説を読んだ(フリーター家を買う...は結局読まず仕舞い)。いやこんなに巧みな人だとは知らなかった。素材としての「県庁」「県職員」の印象的な描き方、舞台としての高知県の観光施策に対する分析と提言、さらに登場人物の複層的な人間模様まで織り込む技術。「ふるさとに恋する観光小説」という惹句がその本質を伝えている。娯楽小説としてとても完成度が高いと思う。素晴らしい。

...ただ。いかんせん、ぼくはこのジャンルに詳し過ぎる。リアリティのなさっぷりになかなかテンションをあげられないままに読了してしまった。県庁のいかにもな「お役所仕事」っぷりはステレオタイプから脱却できてないし(一般読者にはわかりやすいのだろうなあ)、「高知県おもてなし課」のスタッフがありえないほどいい加減な契約したり、地元のこと知らな過ぎて唖然とするし、クライマックスとなる「新企画」にも「いやそんなの今さら斬新とか言われても...」と思ってしまふ。知り過ぎてて無念。あと、この装丁はない。何これ?

以前「県庁の星」という小説があって、もう読んでるソバから腹立たしくてしょうがなかった。県職員としては「こんなバカのどこが星なんだ」という内容なのだ。民間スーパーに派遣されて初めて公務員の役割を自覚する...って、はあ? それでも、小説は売れ、映画化までされて、情けないことこの上なかった。それと比べたら「おもてなし課」は全然マシ。一応、県庁の仕事をしながら成長するって話だから(苦笑)

でも改めて高知県は梅原真さんでもっているんだなあと再確認した。うちの県にもそういうスーパースターが欲しい。亜矢さん?

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[memo]
・S業S課との茶話会。主に営業チームの考え方整理。部長との意見交換。思いは受け止める部分があると了解。会計処理2件。肉巻き案件>何か提案してあげたい。
・手話奉仕員初級講座スタート。ほぼオリエンのみ。ちょっともったいないかも。とはいえ、講座の中身よりもむしろ、こういう地道な活動を続けているボランティアのみなさんに感動。半年間がんばろう。
・「県庁おもてなし課/有川浩(角川書店)」★★★。

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