夫婦で、聴覚障害者教育フォーラムに出かけ、南村洋子さん(横国講師)の講演を聞く。
ご自身がろう者の娘さんを持ってらっしゃるので、ろう者教育論と体験談が交錯する、とても説得力のある話であった。中でも強く印象に残ったのが「聴覚障害はコミュニケーション障害である」という言葉だった。
ある小学校で行われた観察記録。新入生のなかに、ろう者の子と、全盲の子がいて、同じクラスメイトとなった。教室にビデオカメラを設置し、クラスの様子をずっと記録したという。
入学1日目。ろう者の子は、聴覚がない分、視覚が研ぎすまされ、絵の上手な子が多いのだけれど、この子もとても上手に絵を描くので、クラス中の友達がまわりに輪をつくった。一方、全盲の子は、視覚がないので、歩くこともママならず、先生の介添えがあってようやく席に着席できる状態で、友達たちも、どう接触してよいのかわからない様子だった。
入学1ヶ月後。全盲の子は、クラスの友達と打ち解けた様子で、わいわいと賑やかに過ごしていた。一方、ろうの子は、「話をしても言っている意味がわからない」ことから、友達もできず、教室で一人、ずっと絵を描いて過ごしていた。
つまり、今の世の中は、言葉(発話)によるコミュニケーションがほとんどであるため、その能力がない子供(人)は、ほかの子供(人)と心を通わせることが困難なのである。
幸いにして、ハナ社長は高度難聴のなかでも程度が軽く、ある程度は言葉でコミュニケーションが取れる。だけれども、現状を鑑みるに、"心を通わせる"手段にはなり得ていないし、今後も、一般人レベルに達するのは極めて困難と考えざるを得ない。
となれば、手話、筆話、絵、写真、表情など、「視覚」で知覚できる様々な手段を活用して、彼女とのコミュニケーションを模索していくしかない。もちろん、ぼくら家族だけでなく、担任や友達たちにもお願いしていくことになるだろう。彼女が、この広い世界のなかで孤独にならず、自分の力で生きていけるよう、共に成長しないといけないなあ、と思っただよ。
・賀状用の写真撮影
・聴覚障害者教育フォーラム。
・パンや珈琲の買い出し。ランチ「モス」。
・Run21km。1:56:38。5:33/km。やっとハーフで2時間切れた〜。