読書の最近のブログ記事

いろいろと思うことある週末

小泉今日子の「小雨日記」を読み終わってしまった。

彼女の愛猫「小雨」の日常を、猫目線で綴ったエッセイで、まあ、たわいもない話が綴られている。だけれども、そのたわいもなさに、キョンキョンの息遣いがしっかりあふれていて、日々の生活を覗き見しているようなワクワク感があった。

読み終わってとても残念。


難聴のピアニスト、調樹里杏さんとお話しする機会があった。調さんは、娘1号と障害の程度が同じ。その調さんが、大手電機メーカーで働き、今現在、二人目のお子さんを身ごもっているお母さん、ということに、大いに勇気づけられた。

娘1号には、日々の短期的な目標だけでなく、こんな仕事をしたい、こんな風に生きたいという長期的な目標を持たせてあげることがとても大事だと思ったなあ。


息子が生まれたとき、この子が10歳になったら「大人」として認めよう、と思っていた。

自分の自我が目覚めたのが、その頃だったのだ。親の存在を鬱陶しく思い始め、少しずつ自分なりの生き方を模索し始めていたように思う。だから、自分の息子には、10歳で自立させようと思っていた。

その息子が、先月10歳になった。でも思っていたより全然「子ども」。自立なんて全然無理。小学校4年生なんて、ガキもガキ...。

そんな風にずるずる思っていた。だけれども今日。10歳というのは一つの区切りなのかもしれない、と思うに至った。結局、親の保護という名目のもとに、ぼくは親として傲慢に過ぎていた気がする。今日からヤツは「大人」だ。

【2011.06.10 fri】
・RトラベルのK氏来訪。S野くんがライフアドバイスをしに。
・AMET会議。盛り上げよう...と思う気持ちが強過ぎたか。8割ぐらい喋って疲れた。
・職場の歓迎会(今ごろw)。「万作」「hana」。

【2011.06.11 sat】
・家人と花が短大音楽>ピアノ教室。
・ぼくとケータツは床屋。
・喜多川泰氏講演会。調樹里杏さんのピアノ演奏。
・「小雨日記/小泉今日子」★★★★。

【2011.06.12 sun】
・ホットケーキの朝食は幸せ。
・家人と花が美容院へ。ケータツとリンコと留守番。アングリーバード。
・もうケータツを怒らないことに決めた。
・「母べえ」★★★★。案外凄い映画だ。
・TSUTAYAとかパン屋とか。
・「ワンピース」41-44。

県庁おもてなし課/有川浩

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初めて有川浩の小説を読んだ(フリーター家を買う...は結局読まず仕舞い)。いやこんなに巧みな人だとは知らなかった。素材としての「県庁」「県職員」の印象的な描き方、舞台としての高知県の観光施策に対する分析と提言、さらに登場人物の複層的な人間模様まで織り込む技術。「ふるさとに恋する観光小説」という惹句がその本質を伝えている。娯楽小説としてとても完成度が高いと思う。素晴らしい。

...ただ。いかんせん、ぼくはこのジャンルに詳し過ぎる。リアリティのなさっぷりになかなかテンションをあげられないままに読了してしまった。県庁のいかにもな「お役所仕事」っぷりはステレオタイプから脱却できてないし(一般読者にはわかりやすいのだろうなあ)、「高知県おもてなし課」のスタッフがありえないほどいい加減な契約したり、地元のこと知らな過ぎて唖然とするし、クライマックスとなる「新企画」にも「いやそんなの今さら斬新とか言われても...」と思ってしまふ。知り過ぎてて無念。あと、この装丁はない。何これ?

以前「県庁の星」という小説があって、もう読んでるソバから腹立たしくてしょうがなかった。県職員としては「こんなバカのどこが星なんだ」という内容なのだ。民間スーパーに派遣されて初めて公務員の役割を自覚する...って、はあ? それでも、小説は売れ、映画化までされて、情けないことこの上なかった。それと比べたら「おもてなし課」は全然マシ。一応、県庁の仕事をしながら成長するって話だから(苦笑)

でも改めて高知県は梅原真さんでもっているんだなあと再確認した。うちの県にもそういうスーパースターが欲しい。亜矢さん?

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[memo]
・S業S課との茶話会。主に営業チームの考え方整理。部長との意見交換。思いは受け止める部分があると了解。会計処理2件。肉巻き案件>何か提案してあげたい。
・手話奉仕員初級講座スタート。ほぼオリエンのみ。ちょっともったいないかも。とはいえ、講座の中身よりもむしろ、こういう地道な活動を続けているボランティアのみなさんに感動。半年間がんばろう。
・「県庁おもてなし課/有川浩(角川書店)」★★★。

娚の一生/西炯子

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こんなときにフラワーコミックスなんて...。いやでも楽しい漫画でござんした。

この漫画に惹かれたポイントは、枯れたおっさんが魅力的(おっさんに光を!)という自分応援歌的な素晴らしさ。

あまりにも突っ込みどころ満載なので、逆に突っ込む気力をなくしつつ、枯れても男は男よのう...的なムード(主人公女子がかわゆす)で読むことを推奨。こんな教授いねえとか、こんな理系女子はいねえとか、そんなこと言ってちゃロマンがねっすよ。

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[memo]
・寝坊8時起床。
・ひたすら漫画タイム。「の一生」1-3、「ワンピース」6-8、「ジョジョ」4-6。
・図書館、パン屋経由で、TSUTAYA。更に漫画。

漫画「モテキ」

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「モテキ/久保ミツロウ(講談社)」。

今さら恋愛漫画なんて...と思ってスルーしていたこの漫画。読んでみたらすげー面白いでやんの。

作家・久保ミツロウさんは、女子なんだけども、まあ、妄想的に男子心理を描くのが素晴らしく上手。なんだか懐かしいのな。このダメダメで、鬱々で、墓穴を掘りまくりで、相手に対する自分の気持ちよりも、相手からの自分への気持ちとか、下半身とか理想とか他者との比較とかで恋愛を激しくこじらせる感じ。ぼくはもうこの場所にはいないけれども、結構長い期間そうであったからなあ。

あとは、登場人物女子のなかで「誰が好きか」という話題で男子チームで盛り上がりたい。ドラマも借りて来てみようかしらん。

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[memo]
・ガイドブックにミスが...。HP修正。新聞広告案選定、調整。エヴァ調整。サンシャインレディと打合せ。20:00。
・中山間をテーマにしたランミ。
・ローソンのUchicafeをみんなで。
・「モテキ」2-4。

椅子フェチ

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「REAL DESIGN」はハーマンミラーの特集。
「BRUTUS」は居住空間学・椅子の特集。

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ハーマンミラーの美しい椅子のカタログを眺めていると、その造形美に惚れ惚れとし、いつか手にする(かもしれない)自分の椅子たちを想像し、触り心地や座り心地を思い浮かべ、とても幸せな気持ちになれる。

また、使い込まれた椅子の写真も実に美しい。木目には傷が走り、クッションはヘタって、皮も毛羽立っていたりする。しかし、生活の一部に組み込まれ、「道具」としての歴史を重ねた椅子の姿がまたぐっとくるのだ。


我が家でデザインチェアと呼ばれるものは、Yチェア2脚、セブンチェア2脚、シェーカー2脚。椅子は高級品であるからコレクションには限界がある。もちろん、収入がたーんとあれば、山ほどコレクションするのだろうが。でも他人のを眺めているだけでも楽しいのが椅子なのだ。

いつからこんなに椅子フェチになったのだろう...。

ひょっとしたら、北海道のアリスファームで、自作のシェーカーチェアをつくったときが発端なのかもしれないな。たかだか2日間のコースであったから、パーツを組み立てて、座面のロープを編んだ程度のもの。それでも、何時間もヤスリをかけて背当てを磨きあげ、愛情を持って組み立てた椅子は、とても愛すべき椅子となった。そしてシェーカーの椅子は佇まいがとても美しい。

人を乗せ、長い時間を一緒に過ごす道具。
そしてそれを体言するデザイン。

いつか、オリジナルの椅子をデザインしてつくれたらいいな。

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[memo]
・サイネージ、新聞広告(DK社打合せ)、ミス観光のリクエスト、特命大使...。どれもこれもうまくいかない日だなあ。
・節分だった。鬼は外。福は内。

村上春樹の誘惑

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空港で「雑文集/村上春樹」を見つけて狂喜乱舞。

資料読み込みをパスして、機内で思いっきり熟読。前にも書いた気がするが、ぼくは村上春樹の小説より、エッセイや紀行文の方が好きだったりする。その冷静な観察眼と表現力の突き抜け方が尋常でない。

本作は、これまで単行本として発表されなかったエッセイ、序文・解説、挨拶、フィクションといったさまざまな文章が集められている。音楽の章では、そのほとんどが聴いたことのない楽曲の解説だったりするのだけれど、キラ星のような文章に撃たれて、速攻Amazonで注文しちゃったりもするのだった。

特に『アンダーグラウンドをめぐって』の章にある「東京の地下のブラック・マジック」などは、思想家・村上春樹の深い洞察力と分析力と表現力にひたすら圧倒された。こんな名文がお蔵入りだったなんて! 村上本は、もったいなくて、ちびちび読むのが常だけど、本作は好き過ぎて一気に半分まで来てしまった。しばらく放置しなくちゃ。

それにしても、この表紙は凄いな。ブラック過ぎる。

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[memo]
・宮崎空港初のANA1便、なんとか飛んだ。
・R社打合せ。エヴァ関係。
・ランチ食う間もなく、TK社打合せ。なかなかツライ状況だな。でも感謝。
・レストランMにて打合せ。誤解が誤解を呼んで話が進まない。嗚呼。
・フォロー打合せ。方向性を確認。
・「カルネヤ」へ。米、米、直の3人で。楽しくヘベレケな夜。
・夜中にYと。リアル〜。

美しい女たち

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雑誌「Pen」の特集「美しい女たち」。

武井咲の凛とした美しさに惹かれて思わず手にしてしまった。国民的美少女コンテストの頃は、まさに「美少女」。涼しげな顔立ちが印象的だった。そんな美少女も、わずか数年ですっかり大人っぽくなった(それでもまだ10代だが)。

掲載された写真には、美しさの中に成長過程の緊張感が満ちている。強さと儚さが混在しているような(カメラマンは瀧本幹也氏)。女優/タレントとして、美少女同期の忽那汐里に先を越されていた感もあったが、「TSUBAKI」のCMに起用されて俄然注目度があがってきたようだ。今年はこのまま大ブレイクするのだろうな。

しかし、この号の見所は、誰よりも井川遥である。同じく特集されている、今まさに旬の水原希子、吉高由里子がまったく霞んでしまうほどだ。この井川遥の美しさはちょっと尋常でない。結婚、出産を経て、印象が変わって来たところではあった。ケータツがハマってみていた「フリーター、家を買う」というドラマにも出ていて、「あれ?こんなにきれいな人だったっけか?」と再認識してはいたけれど、この写真にはビックリ。なんと艶っぽいことか。

カメラマンはレスリー・キー氏。もともと艶っぽい写真の巧いカメラマンではある。以前、モーニング娘。の安倍なつみを、ものすごくきれいに撮っていたことがあったなあ。あの写真はベストオブなっちだったなあ...なんてなことまで思い出してきたぞ。

しかし、美しい女性というのは、いつの時代でも素晴らしいアートである。井川遥の最後の写真は、額に入れて飾ろうかとも思ふ。

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[memo]
・ガイドブックデータ整理。知事室にて準備もろもろ。
・東国原知事退任。玄関前でお見送り。21:00。
・「つながる技術/小山薫堂」★★。
・アフロ

心に「ずんっ」と響く小説だった。原題は「WOMAN」。内容的にはその方がしっくりくるか(邦題の思わせぶり感も嫌いじゃないが)。

作者が描こうとしているのは、「生きる」ということの本質である。作品には「聾者」の登場人物が出てくる。難聴の娘を抱えるぼくは、少し「他人事」でなく読んだ面はあるかもしれない。しかし、この小説で描かれていることは、とても普遍的なことだ。その普遍性をより際立たせるために「聾者」というキャラクターが登場しているに過ぎない。

女性の悲しみと苦しみと、そして喜びとをこれほど丁寧に描いた作品ってそうはない。思いつくのは「本格小説/水村美苗」ぐらいか。久しぶりに登場人物に惚れた。超おすすめ。

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[memo]
・予算組み替え、ページ割差し替え、デザイン変更...。
・N山会のランチミーティング。妙な盛り上がり。
・ひょんなことから、東国原英夫liveへ行くことに...。♪県庁のブルース

あしたのジョー(原作)

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そういえばちゃんと読んでなかったのだ。「あしたのジョー」。

記憶にあるのは、中学生の頃に見たアニメ版「あしたのジョー2」。劇場版もつくられ、当時はちょっとした再ブームだった。あれから30年!原作が描かれてからは40年!ついに実写映画化(ホントは2度目)されるという。

山下の前髪は前に伸びてないし、伊勢谷も普通の髪型なのに、なぜ、なぜに香川照之だけそのメイク?...ということはさておき、期待しているよ実写版。主演二人の肉体がすごい。アイドルの身体じゃない。ただ、宇多田ヒカルの主題歌は、ちっとも「ジョー」っぽくない。世界観違い過ぎるよ。やっぱ ♪サンド〜バックに〜浮かんで消える〜 じゃねえの? 「ヤッターマン」の実写版もそうだったけど、主題歌ってないがしろにされがちだなあ...。

というわけで、原作を文庫版で借りてきて読んでみた。一部に無茶なストーリー展開はあるものの(車田正美並みのスーパーパンチなんて記憶になかった!)、徹底的にハングリーな展開、そして、ちばてつやの「絵」がやっぱりすごい。よく見るとパンチした腕が長過ぎたり、殴られた顔が骨格ごと歪んでたりするのも匠の技。線に熱があって、この「絵」に引き込まれてしまう。

汗をかき、血を吐く感じ。肉体と肉体がぶつかる感じ。肉体を削ぎとしていく感じ。ボクシングのことをよく知らない読者(ぼくだ)にも、それらの「痛み」を感じさせる「絵」なのだ。この「絵」があるから「あしたのジョー」は伝説になったんだな〜。

...ってここまで書いて、変なことに気がついた。あれ?「絵」は凄まじいとして、梶原一騎原作のストーリーって、まるごと「ロッキー」じゃね? 

矢吹丈=ロッキー・バルボア
丹下段平=ミッキー
マンモス西=ポーリー
力石徹=アポロ・クリード
白木葉子=エイドリアン

多少、位置づけは違うけど、物語上の役割はこのまんま。制作順ではもちろん「あしたのジョー」が先。ぬう。スタローン、実はカートゥーンネットワークで見てただろ。

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[memo]
・朝2便で宮崎へ。
・TSUTAYAで漫画を借りて帰宅。
・ランチは自宅でうどん。
・「あしたのジョー/ちばてつや」★★★★★。9-12。ケータツは読み終わって一言「え!これで終わり!うっそー!」だって。

佐賀県の武雄市長が書いた「首長パンチ」を読んだ。

以前、本屋で見かけたときは「最年少市長GABBA奮戦記」というサブタイトルだけで萎えて手に取りもしなかったのだが、ぱらっと目次を読んだら「第四章 医師会というパンドラの箱」という文字が目に入ってきた。そう。これって、タイトルですごく損をしている本なのだ。内容的には、「医師会パンチ 〜医師会との壮絶なる戦い〜」ではないか。

前段はやや退屈。現職市長ということもあって、自分はさも「できない子」みたいな風に書いているのも残念。そんな謙遜は話を長引かせるだけだ。

ところが、中盤、市長に当選して市立病院の経営問題を認識したあたりから、まるで「巻き込まれ型バイオレンス映画」のように話はぐっと面白くなる。読みやすくする意図からか、会話文を多く挟んであることで、切迫感にはやや欠けるものの、それでもドキュメンタリーとして読み応えは十分。医師会特有の「困ったちゃん」な面をほぼ実名入りでストレートに描いているのが清々しい。

それにしても、地方で市立病院を民営化するって並大抵のことではない。本書にも出て来るように、地元医師会が「自分の患者を取られるかもしれないから」、もしくは「ヨソモノに自分の領土を荒らされたくないから」という理由で反対することが目に見えているからだ。医師会は保健業務を担っているだけに、首長としては敵に回していいことなど、何ひとつない。「巻き込まれ型」とはいえ、最終的には民営化を成し遂げた樋渡市長は、それだけで尊敬に値する。拍手。

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[memo]
・朝2便で東京。
・機内で「首長パンチ」★★★★読了。
・TJにて打合せ。R社にて打合せ(岐阜県、佐賀県も)。
・赤坂の飲み会に合流。TJのG,G,Mに、Y、Y。2次会は三田製麺所。

月夜にランタン

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「月夜にランタン」。読み応えたっぷりの社会批評。

世の中の大きな動きを、テレビや新聞でなく、書物から「読解」してみせる。帯に書いてある惹句はズバリ「落ちつけ!」。うん。なんだか情報の量が多過ぎて、日日それに負われてしまいがちだけど、もっと落ちつけ自分。

ブームの最中ではなく、ある程度社会で吟味されてから味わうと、もっといろんなことが感じられるのだなあ。

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[memo]
・R社企画をTJのF君と協議。
・東京駅企画について打合せ。DK社、TK社+S社。ブランドも。
・個別にDK社と総合P全体の打合せ。
・一平寿司へ取材。TK社+S社と。レタス巻うまし。
・Take Actionのチケット26枚。
・「ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲」★★。うーん。三池監督らしからぬ。宮藤官九郎らしからぬ。物語にも演出にもキレがない。仲里依紗や永野芽都といった魅力的になったハズのキャラがいまひとつ。サラリーマンヒーローという設定の面白さ自体がなくなってしまっているし。もったいなし。

村上春樹と山田詠美と

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ウィスキーの流れで、「僕らの言葉がウィスキーであったなら/村上春樹」を読んだ。その直後、今度は「タイニーストーリーズ/山田詠美」を読んだ。そしたら、どうにも身が入らないのである。

「僕らの...」は、ウィスキーに関する紀行的エッセイであり、比較的ラフな文体で書かれている。系譜としては、特別なテーマ(ウィスキー)を決めた「辺境・近境」に近い感じか。

一方で、「タイニー...」は、山田詠美の短編小説集。同一短編集におさめられた作品は、比較的近しい世界観を持つことが多い山田詠美にしては珍しく、まったく共通項のないような極端な世界観を描いていたりする。

この短編集にどうにも集中できないのだった。春樹文体をどこかで引きずっていて、家族の物語にしろ、無機質を擬人化した物語にしろ、なんだか軽薄な文章に思えてならない。

いや、これは山田詠美のせいではないのだと思う。これまで山田詠美の小説を読んで「軽い」なんて思ったことは一度もないから。たぶん、村上春樹の文体が極端に「重い」のだ。人の心の奥に、ずんずんと響く文体。まるでフロリダマリーンズのボルスタッドが投げる会心のストレートのように(と春樹っぽい比喩 w)。

変なところで「文体の重さ」なんてものに気がついてしまっただ。

[memo]
・出張用の企画書をバババと。予算の一発逆転説明資料をバババと。
・移動中、「僕らの言葉がウィスキーであったなら/村上春樹」を再読。
・コンビニで「I.W.ハーパー」のボトルを買って一人飲み。

おまんのモノサシ持ちや!/篠原匡

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宮崎空港の書店で発見して即買いし、いろいろな思いにとらわれて、しばし読書を中断しつつも、新宿に着く頃に読了。待ち合わせていた優秀な後輩Fにそのまま「読め!」と貸した。いやはや面白い本だった。

これは、日経ビジネスオンラインの記事がベースとなっていて、高知在住のデザイナー・梅原真さんの仕事を丁寧にレポートしたもの。2ヶ月ほど前に、本人による「ニッポンの風景をつくりなおせ」を読んだばかりだが、第三者目線の本書の方が、より梅原真というデザイナーの個性が浮き彫りになっていて面白い。もう一度「ニッポンの...」を読み直しくなるほど。

本書を読みながら反省すること多々。ぼくが仕事に向う姿勢として足りないのは「喧嘩する覚悟」なのかもしれないな、と思った。変にバランスを考えて、「このあたりが落としどころか」「いやもうちょっと押せるか...」といったところで悩むことが多いのだけれど、もっとストレートに「あかんやんか!」と怒ってぶつからないと、破壊的なパワーが生まれないのだな。

ま、破壊したくないから悩むのだけれど...。そのためには、梅原さんのように「あかん!」と言ったあとに「これ!」という「回答」を示せる技術が必要だな。デザイン力、コピー力...。何もかも足りないなあ(遠い目)

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[memo]
・ANA602 8:15発。
・「おまんのモノサシ持ちや!〜土佐の武骨デザイナー・梅原真の流儀〜/篠原匡(日本経済新聞社)」★★★★。
・新宿。JH社へ。F、T社のN氏も同行。さて、どれだけふくらむか。
・千駄ケ谷。C社へ。近くの新亜飯店でランチ。
・東京。「AWキッチン」。アカデミックレストラン打合せ。試食...のハズがフルコース出た。
・銀座。「黒船屋」。営業の精鋭たち。腹がはち切れる...。
・「the b' akasaka」泊。ビジネス用として過不足なし。いいホテル。

小学3年生の読書力

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小学校3年生の愚息が、フジテレビ「フリーター、家を買う。」にはまっている。

ぼくは見てないので、どんな作品かは全然知らない。先日、本屋に行って、原作本が並んでいるのを見たとき、ふと「好きな話なら、多少難しくても読めるかもしれない」と思いついた。

原作は同名の「フリーター、家を買う。/有川浩(幻冬舎)」。全307ページ。「日経丸の内office」においてWEB連載されたものらしい。まあ、つまりは、普通に大人が読む小説なのだ。普通に漢字が多く、ふりがなは読みづらいほんの一部分だけだ。まあ、小3が読むような本では全然ない。

買ってきたのが土曜日だった。「プレゼントだ」と渡して、そのまま10kmのジョギングに出かけた。戻ってきたところで、愚息が寄ってきて「第1章を読み終わって、今74ページ。すごく面白い」と言う。なんと。ざっくり1時間70ページの読書スピード。ぼくが1時間80〜90ページぐらいだから、かなり早い。

ホントに読んでるか確認してみると、まず「知らない漢字は意味を想像している」そうで、とても正しい読書の姿勢である。中身についても「亜矢子の目がすごく怖い」とか「頬のこの辺を殴られても、こんな表情でぐぐぐっと耐えていて...」とか、文字情報をビジュアルとして脳内変換して理解している様子。凄いなお前。

結局、その日のうちに「第2章まで読んだ」といい、日曜日も終日出かけたりしていたのに、夕食後までにほぼ読み終わってしまった。後日談的なラスト20ページを、今朝、朝ご飯を食べて、学校に行くまでのわずかな間に読んで、完全読了。

うむ。2日で1冊ということは、すでに家人の読書力を越えている(笑)。これは早くも「本の親子共有」が可能になるなあ(喜)

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[memo]
・委員会資料作成、DK社打合せ(漫画の取扱をどうするか)。
・年末調整。連帯債務の処理がめんどい。

村上隆のエネルギー

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今月号の「美術手帖」は村上隆特集。

パリのベルサイユ宮殿で開催中の「MURAKAMI VERSAILLES」展について、かなり詳細なレポートを掲載している。

この展覧会、一般の報道では「反対デモ」みたいなものしか見かけたことがないけれど、WEB上ではかなりポジティブに盛り上がっている感じが伝わってくる。水庭に鎮座するオーバル・ブッダは、ちょっと呆れて、笑ってしまうぐらいポップだ。東京なら、絶対見に行くんだけどなあ。パリかあ。

展覧会の記事も面白かったが、一番興味深かったのが、村上隆率いる「カイカイキキ」の制作システムが詳細に取材されている部分。それは美術の創造というより、アートの工場的な印象を残す。

埼玉県にある工房では、15名のスタッフが24時間体制で作品を制作しているのだという。詳細な工程表があり、詳細な指定事項があって、スタッフらは共同して作品の制作にあたる。村上隆一人が目立っているが、これは物凄く高度に専門化されたチームプレイなのだ。

考えてみれば、映画だって音楽だって大勢のスタッフで制作される。たとえば音楽であれば、「音」そのものを生み出すのは個人(アーティスト)かもしれないけれど、そこにアレンジを加えたり、音に厚みを加えたり、バランスをとったり、CDのジャケットを描いたり、PVを撮影したり、編集したり、営業にまわってCDショップに置いてもらったり、あるいはiTunesに乗っけてもらったり...と、いろいろな人の手を通過する。アートだって、そういうチームプレイであっていい。

まあ、カイカイキキの場合、村上隆の独占的なトップダウンであって、村上の思想を具現化するためのチームなようだが。しかし、このエネルギーたるや、凄いものがあるなあ。作品の好みはさておき(ぼくは達磨や龍の絵が好き)、このパワーは圧倒的だ。今回のAPECでは千住博さんの滝の絵がやたら出てきたけど、村上隆のスーパーフラットを背景に持ってきた方が盛り上がったかもよ。

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[memo]
・アサイチで友人から素敵なPV(未公開)が届く。感動。
・M小の創立記念日で、文化祭的なもの。娘は「大きなカブ」を輪唱。上手にできますた。
・出店やバザーを楽しむ子供ら。リンコの世話に明け暮れる自分。
・帰宅後、Run。21km。6'00。遅い。
・TBSオールスター感謝祭でオーダーした宮崎牛ですき焼き。んまい!