東京マラソンを走ってきた。いや、楽しんできた。
これは「ねずみ」じゃなく「RUN」をテーマにした1日限りの巨大テーマパークなんだな。巨額の資金を投入し、微に入り細に入り丁寧なカスタマーサービスを施し、巧妙にスポンサー広告も入れ込みつつ、入場者(ランナー)をすっかり虜にしてしまう魔法の国である。しかも、その国を支えるのは、多くのボランティア(なんと抽選!)と、42kmの全行程にあふれる沿道のサポーターたち。ビジネスとお祭りの素敵な邂逅。
前半は「観光」的な視点で楽しく走っていたところ、30kmあたりにいた沿道のお姉さんの一言が、後半戦をまったく違うものにしたのである。
「ここから10kmはおやつタイムだらかね!」
お、おやつタイム? これまでいろんな大会を走ってきたけど、マラソンをそう言う視点でとらえたことなどなかった。そうか、おやつタイムか。「食」なのか。
そう思ったら、本来とてもキツいはずの後半も、わくわくするものになった。風景は二の次。沿道の人の手元ばかりが気になってきた。やや漠然とした記憶ながら、パン4個(チョコパン2個、アンパン、クリームパン)、人形焼き10個くらい、黒砂糖・飴・干しぶどう・梅干し・チョコレートなどを頂いた。ドリンクも、コーラ、アクエリアス、珈琲、紅茶(レモンティー)を貰った(さすがにワインだけは断った)。なぜか、走りながら食べるのって異常に旨いんだよなあ。
あ。念のために書いておくと、東京マラソンは給水・給食がとても充実していて、オフィシャルなゾーンだけでも目一杯飲み食いできます。それ以外に、上記のものを食べて飲んでたってことです。25km地点あたりから足がつりそうで走るのが辛かったが、35km以降は、腹一杯で走るのが辛いという妙なコンディションに(笑)。
それにしても、レース中、こんなに立ち止まり、いろんな人と談笑したことはない(まあ、普通ないわな)。1箇所で話すのはほんの一言二言だけど、何百メートルおきに、喫茶的なことやってちゃね。おかげでタイムは過去最低の5時間27分。でも、過去最高に面白い大会であったよ。
また走ろう、東京マラソン(次回はもっと胃を大きくして)。