小説「音もなく少女は/ボストン・テラン(文春文庫)」

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心に「ずんっ」と響く小説だった。原題は「WOMAN」。内容的にはその方がしっくりくるか(邦題の思わせぶり感も嫌いじゃないが)。

作者が描こうとしているのは、「生きる」ということの本質である。作品には「聾者」の登場人物が出てくる。難聴の娘を抱えるぼくは、少し「他人事」でなく読んだ面はあるかもしれない。しかし、この小説で描かれていることは、とても普遍的なことだ。その普遍性をより際立たせるために「聾者」というキャラクターが登場しているに過ぎない。

女性の悲しみと苦しみと、そして喜びとをこれほど丁寧に描いた作品ってそうはない。思いつくのは「本格小説/水村美苗」ぐらいか。久しぶりに登場人物に惚れた。超おすすめ。

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[memo]
・予算組み替え、ページ割差し替え、デザイン変更...。
・N山会のランチミーティング。妙な盛り上がり。
・ひょんなことから、東国原英夫liveへ行くことに...。♪県庁のブルース

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