心の糸

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NHKで昨夜放送された「心の糸」。
夫婦でしみじみと見入ったです。

耳の聞こえないろう者の母親と、健聴者でありピアニストを目指して音大受験に臨む息子の、親子の絆を描いたドラマである。脚本は「星の金貨」の龍居由佳里。主演は、松雪泰子と神木隆之介。

ストーリー自体は、どうってことない物語なのである。母と息子をめぐる葛藤劇だ。凡庸だし退屈とも言える。しかし、登場人物の一人が「ろう者」として設定されるだけで、物語が深く、意味深いものとなる。母と息子、ろう者と通訳者、女と男...。音楽といい、演出といい、主演2人の演技といい、とても丁寧に作られた作品であり、「ろう者」とは何か、コミュニケーションとは何かについて、見るものに強く訴えてくるものがある...と思う。

つか、娘が難聴児ゆえ、「ろう者」が登場するドラマは、普通の観客として見ることができないのだ。どうしても、自分や娘の立場に立っていろいろ考え込んでしまう。上記のような美点も、あるいは物語としての消化不良感も、なんだかどうでもよくなってしまう。


娘の障害は高度難聴に分類され、いわゆるほとんど音が聞こえない「最重度高度難聴=ろう者」ではない。とはいえ、口話(音声)だけでスムーズにコミュニケーションを取ることはかなり困難である。娘は、音と相手の口元を総合して言葉を読み取っている。手話をあまり使っていないため、口話を主体としつつ、娘の貧しいボキャブラリーによって、なかなかお互いに思いを伝えきれない「ぎこちない」コミュニケーションなのが現状だ。

ドラマを見ながら考えていたのは、手話は立派な言語であるということだ。わかっているつもりでも、こうやって日常の風景としての手話を見せつけられると、必要性を痛感する。口話主体だとしても、娘にとって、第二言語としての手話は必要なのだな、やはり。学ばなくては。ぼくらがもっと。

[memo]
・朝一番で萎えるメールが。相手もそうなんだろうけれども。
・大金を入金。増えろ増えろ。
・出張計画と、企画案。
・賢くなるパズル(入門編)到着。ケータツは早々に初級・中級を終え、上級へ。
・ストレッチボード到着。のばずぞ。

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