村上隆のエネルギー

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今月号の「美術手帖」は村上隆特集。

パリのベルサイユ宮殿で開催中の「MURAKAMI VERSAILLES」展について、かなり詳細なレポートを掲載している。

この展覧会、一般の報道では「反対デモ」みたいなものしか見かけたことがないけれど、WEB上ではかなりポジティブに盛り上がっている感じが伝わってくる。水庭に鎮座するオーバル・ブッダは、ちょっと呆れて、笑ってしまうぐらいポップだ。東京なら、絶対見に行くんだけどなあ。パリかあ。

展覧会の記事も面白かったが、一番興味深かったのが、村上隆率いる「カイカイキキ」の制作システムが詳細に取材されている部分。それは美術の創造というより、アートの工場的な印象を残す。

埼玉県にある工房では、15名のスタッフが24時間体制で作品を制作しているのだという。詳細な工程表があり、詳細な指定事項があって、スタッフらは共同して作品の制作にあたる。村上隆一人が目立っているが、これは物凄く高度に専門化されたチームプレイなのだ。

考えてみれば、映画だって音楽だって大勢のスタッフで制作される。たとえば音楽であれば、「音」そのものを生み出すのは個人(アーティスト)かもしれないけれど、そこにアレンジを加えたり、音に厚みを加えたり、バランスをとったり、CDのジャケットを描いたり、PVを撮影したり、編集したり、営業にまわってCDショップに置いてもらったり、あるいはiTunesに乗っけてもらったり...と、いろいろな人の手を通過する。アートだって、そういうチームプレイであっていい。

まあ、カイカイキキの場合、村上隆の独占的なトップダウンであって、村上の思想を具現化するためのチームなようだが。しかし、このエネルギーたるや、凄いものがあるなあ。作品の好みはさておき(ぼくは達磨や龍の絵が好き)、このパワーは圧倒的だ。今回のAPECでは千住博さんの滝の絵がやたら出てきたけど、村上隆のスーパーフラットを背景に持ってきた方が盛り上がったかもよ。

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[memo]
・アサイチで友人から素敵なPV(未公開)が届く。感動。
・M小の創立記念日で、文化祭的なもの。娘は「大きなカブ」を輪唱。上手にできますた。
・出店やバザーを楽しむ子供ら。リンコの世話に明け暮れる自分。
・帰宅後、Run。21km。6'00。遅い。
・TBSオールスター感謝祭でオーダーした宮崎牛ですき焼き。んまい!

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