異才・堺雅人

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宮崎出身の俳優・堺雅人。勝手に親近感を感じていたのは、同じ高校出身で、ぼくの高校時代の恩師と親しくしている...という情報を得ていたからだった。だがまさか対談本を出すほど親しいとは知らなかった。

宮崎出身の家人・若山牧水について語りあっている本書は、かなり異質な本である。なにせ、著名な俳優と一介の高校教師(といっても著名な歌人でもあるが)とが、酒を飲み交わしながら、牧水論を戦わせるという体裁なのだ。それも単に歌の鑑賞にとどまらず、そのときどきの牧水の生き様とを照らし合わせながら、実にのびやかな発想で意見を交わしている。

堺雅人というヒトは、本書の中で明かされる「役」へのアプローチのように、少し回り道をしながらも、本質的なところを追求せざるを得ない性分なのだろう。知の巨人である伊藤先生と、ここまでの議論は交わせるという凄さ。話があちらこちらに飛びながら(酔っているからね)、「生きるとは」という問いを交えていく深さ。

堺雅人、只者ではない。

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[memo]
・だらりんこして本読んで昼寝して...な1日。
・「街場のメディア論/内田樹(光文社新書)」★★★★。ジャーナリズムの知性の劣化...なんだろうか。そもそもそれほどの知性があったわけでもないのかも。
・「ぼく、牧水!/伊藤一彦・堺雅人(角川Oneテーマ21)」★★★★。
・「南極料理人」★★★。面白い。んだけど、だから何?という話でもあり。でも面白い。不思議な味わい。

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