絶叫委員会/穂村弘

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歌人・穂村弘が、「印象的な言葉」を拾ってきて、解説するという趣向のエッセイ。便所本(便所で読む本)として秀逸。1章が短く(約4ページ)、1章完結で、毎回感嘆や爆笑があって読みごたえがある。久々に「読み終わるのが惜しい」本だった。明日の朝の楽しみがないや。

たとえば、著者が拾ってくる言葉と、その解説はこんな具合。

 ...以前読んだ作品のなかで、年齢と共に女性の
 容姿は必ず衰える、永遠に美しいままの女性はない、
 という意味のことを当然の事実として周囲に
 云われたとき、主人公の男はこう叫んでいた。

 「八千草薫の例がある!」

 ワタシは胸をうたれた。なんて恰好いい反論なん
 だろう。...「八千草薫」には主人公の恥ずかしい
 ほどの本気さが宿っている。「八千草薫」の例が
 あるのだから、ほかにも永遠の女神が存在する
 はずだ、という純粋で自分勝手な世界への夢を感じる。

素晴らしい事例(笑)に、素晴らしい解説。
是非、続編を読みたい。

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[memo]
・絶叫委員会/穂村弘(筑摩書房)★★★★。たまにネタが弱いのが惜しい。
・予算化で一波乱もニ波乱も。まあ、しょうがない。本部協議、Z課協議、局内協議、再びZ課協議、事後対策...。22:00。
・某所で懐かしいM嬢とバッタリ。ビックリ。

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