伊藤計劃

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先日、本屋ですごい帯をみつけた。

 私には、3回生まれ変わっても こんなにすごいものは書けない/宮部みゆき

たぶん、ぼくが今まで見た中で、もっとも強烈な惹句である。あの宮部みゆきにそこまで言わしめる作品が「虐殺器官/伊藤計劃」である。

実は2007年6月に単行本として発売され、当初から宮部みゆきの同じコメントが載っていたらしい。全然知らなかった。文庫化されて、しかもいきつけの書店にミニコーナーがあって初めて知ることができた。うーん。毎月「本の雑誌」を買っていて、どこを読んでいたんだか...。ありがとう蔦屋書店。

まるで翻訳もののSFを読んでいるかのような感覚、というと失礼か。物語のスケールは大きく、ストーリー運びは繊細で、歴史・哲学・言語といったアカデミックな話から、サブカルチャーまで幅広く取り入れている上、ミステリーとしても上質の展開をみせる。しかも、まさかの長編第1作。日本のSF界に、こんな凄い作家がいたとは...。

残念なことに、作者は、昨年3月に34歳の若さで亡くなっている。残された長編はこの「虐殺器官」を含め、わずかに3冊。なんてこと。いや、肺癌を患いつつも、わずか3年あまりの間に、3冊も(!)残してくれたと考えよう。心して読むことにしよう。

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[memo]
・土日とも仕事の予定が急遽キャンセル。
・子供らは義妹宅へ。家人は仕事へ(育休中なのに)
・「虐殺器官/伊藤計劃(ハヤカワ文庫)」★★★★★。
・Run 12km。久々なので疲労困ぱい。
・義妹も来訪して「日本×オランダ戦」惜しい。あの1点...。

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