「arne」閉刊、「本人」休刊

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昨年末、大好きな雑誌が2つもなくなってしまった。ともに季刊誌の「arne(アルネ)」と「本人」である。

「arne」は、デザイナーの大橋歩さんがたった一人でつくっていた雑誌で、その手作り感と、さすがなデザインセンスに毎号唸ったものだった。大橋さんは、もうすぐ70歳だというのに、ものすごいフットワークで、わくわくする雑誌をつくられた。たしか、10号ぐらいで存在に気付いて大いに気に入り、すぐにバックナンバーを揃えた。本屋でなく、雑貨屋で入手するというのも何だか楽しかった。最終号は30号。

「本人」は、劇作家・松尾スズキが編集長をつとめる雑誌ということで、準備号(0号)から買い始めた。「本人が一番面白い」というのがコンセプトで、有名無名に関わらず、とことん「本人」に迫るという姿勢がよかった。最終号の12号では、某芸人の妻のライターが「家を飛び出した経緯」を小説化してるし。一応、芸人が誰かは伏せてあるんだけど、小説のタイトルがアナグラムになっているのですぐわかる(笑)まあ、相当サブカルに偏った「噂の真相」的な雑誌だったな。

どちらにも共通していたのは、表紙が秀逸だったこと。「arne」の表紙は、手書きの「arne」の文字が印象的で(大橋さんの字はとても味わい深い)、大橋さん自身が撮影したナチュラルな写真とのバランスが素晴らしかった。ざらりとした紙の質感とも調和していて、記事を読むだけでなく、「本」単体として、見て、手に持って、心地よかった。

「本人」の表紙は、ロングインタビューした本人の写真がメイン。登場したのは、0号から順に、宮藤官九郎、太田光、リリーフランキー、ビートたけし、中川翔子、西原理恵子、松尾スズキ、真木よう子、叶恭子、ひろゆき、忌野清志郎、明石家さんま、板尾創路。このラインナップだけで、雑誌のセンスまで伝わってくる。

たぶん、この2つの雑誌は、これからも何度も読み返すことになるだろう(便所本として定位置を確保している)。とりあえず、大橋さん、北尾編集長、お疲れさまでした。少なくとも「本人」は復活を待っているよ。

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[memo]
・協定書やら、会議資料やら、終日ちまちま、こまごま仕事。

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