少年メリケンサック ★★★☆☆

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大好きな宮藤官九郎の監督/脚本である。

クドカンの何が好きかって「くだらないことに一生懸命」ということに尽きる。この「くだらなさ」についていけないヒトは、全然面白くないのがクドカンドラマだったりもする。ところが、自分が監督するとなると、なぜだか「くだらなさ」のパワーが落ち、全体のバランスが悪くなるのもクドカンの特徴。「真夜中の弥次さん喜多さん」では、「初監督でこれだけ撮れるのか」と感心したものの、今回は「監督兼務だとこうなっちゃうのかな」と印象を改めた。

キャスティングから疑問点がいくつか。佐藤浩市、なんだか惜しい。「マジックアワー」のフリキレ感がない。田辺誠一が短い出演時間で妙な存在感を放っているのと正反対である。もっとも好きな俳優さんなだけに、役との相性の悪さを感じる。あと、ユースケサンタマリアも。「音楽寅さん」のコントと同じテンションの芝居なのだ。ユースケがでる場面だけ「映画」な雰囲気がなくなってしまう。

宮崎あおいも、いい場面とそうでない場面の差が大きい。これはキャスティングというより、演出の部分か。演出といえば、バンドが人気になっていく過程があまりに唐突。その前に一度「夢落ち」のシーンがあるので、余計にピンとこない。もやもや感の続く部分となってしまった。

クドカンらしい「くだらなさ」がときどきスパークするので、何度も声を出して笑ってしまう。面白くないわけじゃないのだ。それだけに、全体的なつくり込みの「甘さ」が勿体ない。クドカンは脚本に専念して、一歩醒めて眺める監督がいた方がいいのかもしれない、と偉そうに思ったところですた。

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[memo]
・9時間爆睡。疲れてたのね自分。7時起床。
・のんびりした朝食後、掃除、洗濯(膨大)、庭の落ち葉広い、園芸ゾーンの手入れなど。
・たっぷり汗をかいたので昼はソーメン(10月なのに)。
・実家にケータツを迎えに。咳が出ていて、まだまだ病人な感じ。早く治れ。

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