雨の休日。ほんの少しの家事と、読書と、うたた寝で過ぎた1日。至福だ。
「夏から夏へ/佐藤多佳子(集英社)」★★★★。400mリレーの日本代表選手が、2007年夏の世界陸上大阪大会から、どのように北京オリンピックを迎えようとしているかを追ったノンフィクションである。
ノンフィクションとはいえ、「一瞬の風になれ」で「四継」を世に認知させた作者は、できるだけ選手の近くに寄り添い、時に想像をたくましくさせながら、その日々を書いていく。タイトルは「夏から夏へ」だが、むしろ各選手の経歴を丹念に描き、「この4人は誰なのか」を解き明かしていく。そのあたりは、ルポライターではない小説家・佐藤多佳子だから出来たことだと思う。素晴らしい。
ただ、惜しむらくは、本書がオリンピック前に発売されなかったことだ。★の減点はその1点に尽きる。最後の取材は春先なのだから、どうやっても試合前に間に合わせてほしかった。この4人のことをよく知ってから、ライブで決勝を見たかった。ある意味、当事者以外では、作者や編集者のみがこの「最高の結果」をリアルタイムに見ることが出来た訳で、なんだかとっても「ずるいなあ」と思ってしまう。
しょうがないので(?)、読後すぐにYoutubeでオリンピックの中継画像を探したが、著作権の関係からか、あまりこれといった動画が残っていない。唯一、まともに見れたのが「走れ!」。これにはちょっとホロリとさせられた。いい編集だと思ふ。
<memo>
・雨。読書。
・午後、家人や子供らとトランプ(ジジ抜き、神経衰弱)。ああ、休日。
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