庭の手入れ

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村上春樹の短編で名作の誉れ高い「午後の最後の芝生」。学生の「僕」が、アルバイトで芝の手入れをする、という話である。「僕」はものすごく丁寧に芝を刈る。機械で全体を刈ったあと、鋏で細かいムラを整えていく。誰に評価されるわけでもないが、きちんと芝を刈ることは、「僕」の性格であり、プライドなのだ。

この短編を読み返すたびに、自分自身の「性格」やら「プライド」やらに思いを馳せることになる。とてもいい加減で、自分に甘い性格と、見栄や空威張りばかりで中身の無いプライドに。

今日は、午前中いっぱいをかけて庭の手入れをした。田舎なので、それなりの広さがある。家の立て替えに併せて、古い庭木のほとんどを切り倒し、今は、日向夏とか八朔といった実のなる木がぽつんぽつんと残っているだけだ。芝生も生えてない。この冬に、新しく植栽をやり直し、芝も張る予定だが、今は、とても寂しい庭となっている。そんな庭でも、雑草は生える。

カヤという雑草は、根が残っていると次々に生えてくるので、刈るのではなく、できるだけ抜いて、横に伸びている根っこも可能な限り掘り返した方がよい。「午後の最後の芝生」を思い出しながら、「今日こそはしっかりと手入れしよう」と思った。庭の端から小さなカヤの芽も見逃さないよう抜いていく。根っこは、1本1本をたどって掘り返す。根気がいる作業だ。

2時間ほど熱中したところで、子供らから「もうすぐご飯だからね」と声がかかる。うむ。まだ1/3ほど残っている。一瞬、「あとは午後に続きをしようか」と思った。でも、今にも雨が落ちてきそうな雲行きだったし、ずっとしゃがんで作業していたので、腰と太腿が痛くて、いったん休憩してしまうと、再開できる自身がなかった。

そこで、残った部分は「刈り込み鋏」でザックリ仕上げることにした。ざくざくざくと小さな竹やらススキやらを刈っていく。カヤだけはできるだけ抜くようにして、30分ほどで「やっつけた」。ぱっと見は、すごくスッキリときれいになった。

シャワーを浴び、昼食のソーメンを食べていたら、案の定、雨が落ちてきた。身体も全然動きそうにない。とてもアバウトな性格と低いプライドだけど、こういう「見極め」も大事なことよのう、と自画自賛してみた午後であった。

<memo>
・庭の手入れ
・昼寝後、イオンにて「バックヤードシェード(コールマン)」購入
・ジジババ、ヒロの家族とで、月見の会。ベランダで炭でBBQ。

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このページは、kaishindouが2008年9月14日 00:00に書いたブログ記事です。

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