いまさらながら森博嗣

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「本格」と呼ばれる推理小説のジャンルは、簡単に言うと、極めて特殊な設定場面のなかで、現実社会から逸脱したような登場人物のなかで、ありえないような殺人事件が起き、その謎解きに大量のページが裂かれる、というものだ。

考えようによっては、バーチャルな世界での「知的なゲーム」であるし、考えようによっては、リアリティのない「閉じた世界の物語」でもある。好き嫌いのあるジャンルだろう。

で、ぼくはこの「本格」の世界は嫌いじゃない。選んで読んでいることもあって、「つまらない」と思った経験がほとんどない。ぼくにとってハズレの少ないジャンルだ。それでも、ぼくがあまりこのジャンルに手を出さないのは、たいていが「超長編」で、「シリーズもの」で、「読むのが大変」とわかっているからだ。

今回、仙台出張という「移動時間が長いよ辛いよ」というチャンス(?)があったので、メフィスト賞第1回受賞作「すべてがFになる」を読んだ。名作との評判が高いだけあって、とても面白かった。登場人物が魅力的で、もしシリーズ化されているなら、続きを読んでみてもいいかもと思った。

で、なにげなくwikiをのぞいてみたら、「すべてが...」の登場人物が出て来る「S&M」シリーズは現在10作品。また、「すべてが...」で重要な役割を果たしているキャラクラーが暗躍するものとして、Vシリーズ(10作品)」「Gシリーズ(7作品)」があり、さらにそれらを繋ぎ、関係性を解き明かすものとして「四季シリーズ(5作品)」というものまであるそうだ。

楽しみが多いのはいいことなのだが、その際限がない感じが、やっぱりぼくを本格から遠ざけるのである。ふぅ。

ちなみに、映画化された「スカイ・クロラ」のシリーズは現在6作品。ふぅ。こちらも気安く手を広げない方がいいのかも...。

<memo>
・M社、社長&副社長への表敬。宿題増えたかも。
・泉パークタウン視察。ランチ「五福星」で肉ワンタンそば。胸焼けする濃さ。
・東京経由帰路。
・「すべてがFになる/森博嗣(角川ノベルズ)」★★★★。素晴らしいプロット。素晴らしいキャラクター。困った。

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このページは、kaishindouが2008年10月24日 00:00に書いたブログ記事です。

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