| 9/5 |
ハリガネムシ/吉村萬壱(文藝春秋) |
★★★ |
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芥川賞受賞作なんて普通はまず読まないのだけれど、山田詠美の「これほど感情を翻弄されあ小説は久しぶりです」という惹句につられた。確かに言いえて妙。ゴリゴリとした文体で、ぼくの感情をぶるんぶるんと振り回して、この壮絶な物語世界へ誘ってくれた。んー、でもな、確かに心のサブイボがたちまくるけどさ、「だから何?」というツッコミ感が強く残る。暴力の先に何かがあるのかないのか。なんのための描写なのか。だから何? ああ、これだから芥川賞は嫌いだ。 |
| 9/7 |
川の深さは/福井晴敏(講談社) |
★★★★ |
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以前、第2作「Twelve Y.O.」を読んで、いまどきなんて「男臭い」作家なんだ、という印象が強かったのだが、この作者はデビュー作からまったく一貫して「臭い」のだな。キャラクター造形がステレオタイプだとか、御都合主義だとか、突っ込まれどころは満載なのだが、読んでいるうちに登場人物の「熱さ」がかああっと伝染してくるのだ。憂国系小説(というジャンルがあるよなやっぱり)のなかでも、この作家は筋金入りとみた。こちらのテンションが「軽薄」に振れているときには鬱陶しく感じるに違いない。ということは、今の自分は「憂国」に振れてる? |
| 9/9 |
DIET SHINGO(マガジンハウス) |
★★ |
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またまた買ってしまったダイエット本。しかも香取慎吾。そんなヒマあったらまずは走れ!ってなもんだけど、結構真剣に読みいる。慎吾君の平凡なコメントが結構効くんだな(ライターが書いた?言葉かもしれないけど)。これとか→「時間がなくて運動できない?それは言い訳。時間はみんなに平等にあるよ。」 時間って実は全然平等ぢゃないんだけどね。でも、それも言い訳です。はい。 |
| 9/9 |
ゆるるんハワイ/関口和之(二見書房) |
★★ |
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読了。こんなゆるゆるな本に1,700円も払ってしまうくらいハワイ好きな自分(しかもまだ2回しか行ったことないくせに)。フツー買わないし、読まないよな。でも、この本にはホントにハワイが好きなものが醸しだす空気感がある。そして、タイトルにもあるように、その「ゆるゆる」感をもっと日本に!という思いもぼくと同じである。まさか「日本ハワイ化計画」という名のHPまでつくっているとは思わなかったけど。実は、先日のTOP微にゅーあるの際、「宮崎ハワイイ化計画」というサブタイトルを付けようとしてたんだけど、思いっきり同じ。去年からやってる分、ムクちゃんの勝ち。付けなくてよかった。 |
| 9/14 |
神々の食/池澤夏樹(文藝春秋) |
★★★ |
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便所で食い物の本を読むのは如何なものかと思いつつ、あっという間に読了。仕事柄、比較的全国を行脚する機会はあるのだけれど、沖縄ほど食い物の「エッジが立ってる」土地はないと思う。それは食材そのものであったり、独特の調理方法であったりするのだけれど、自分では、なかなかその「エッジ」の「肝」がなんなのか、ということまで思いが至らなかった。だってな、目の前にはすでに調理されたものだけしかないわけだから。沖縄在住の作者は、その地位と立場を利用して(?)、生産現場に踏み入ってく。ううむ。これが面白くないわけないぢゃないか。惜しむらくは、ちょっと沖縄賛歌の度が過ぎて、読むものの猜疑心を呼び起こしてしまうことだ。こーゆー文章は、沖縄行きの機内誌でちびちびと読むのがベスト。 |
| 9/16 |
午後の曳航/三島由紀夫(新潮文庫) |
★★★★ |
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いわゆるブンガク作品をほとんど読んでないぼくにとって、金閣寺以来2度目の三島体験。勝手なイメージとしてのミシマ(秀才、ナルシスト、体も心もマッチョ、バイセクシャル)の延長上にはあった。が、思いのほかエグかったな。キレイで頭よさげな文章だけではなかった。なんか最近の「村上龍」にかなーり近い印象である。ぼくの読んだ順番としては、昭和40年代版「希望の国のエクソダス」って感じだ。ホントは逆だけどさ。しっかし、これが30年前に書かれたという驚愕。そしてタンスシーンの艶かしさ。 |
| 9/17 |
ピクルス/藤森直子(藤森書房) |
★★★☆ |
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本、つーのは、内容だけぢゃない。表紙のデザイン、色合い、手触り、内容との呼応、そしてそれら一切のバランス。すべてが一体となって初めて本となるのだ(CDもまた然り)。そういう意味において、この豆本の存在感は非常に大きい。手のひらサイズでありながら丁寧な造本、5分で読み終わる「きゅう」な短編、そして藤森書房という洒落。すんげえいいな。ただ、この短編、ちょっと短すぎる。やっと泣けるときまでをもっと読んでいたかった。 |
| 9/20 |
症例A/多島斗志之(角川文庫) |
★★★★☆ |
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小説全体のバランスとしては、如何なものかと思う部分もある。平行して語られる2つの物語のうち、1つの物語の位置づけがなんだか勿体なくって、いっそ、別々の物語でもよかったのにとも思う。それに、あまりに説明的過ぎる会話があって、そこだけ浮き上がって感じたりもした。しかし、それらは実に些細な問題点でしかなく、主軸の物語のパワーにぐいぐいと引き込まれていく。参考文献の多さから、作者が物凄く勉強した形跡があるが、ちゃんとその勉強が物語りに練りこまれているので、知識のヒケラカシ的な嫌味がない。素晴らしきエンターテイメントだ。 |
| 9/21 |
カッシーノ!/浅田次郎(ダイアモンド社) |
★★★ |
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ヨーロッパを博打しながら「取材旅行」をするという、単純にウラヤマシイとしかいいようのない本。印税でたっぷりと蓄えた財(その幾ばくかにぼくも貢献しているのだが)を、ヨーロッパで散在する快感たるや、市井のニンゲンには想像し難い。同じことを五木寛之や宮本輝にやられたら、嫌みったらしくて読めたものではないのだろうが、何せ元々が下世話なジローちゃんであるから、「成金」なギャンブル旅行も至極納得してしまうというものだ。 |
| 9/21 |
私のワインは体から出て来るの/宮藤官九郎(学習研究社) |
★★★★ |
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あークダラナイ。徹底的にクダラナイよこのタイトル。思わず衝動買いしたんだけど、こういう勘は外れないものだね。内容もどーしよーもなくクダラナイ。エッセイもクダラナイのに、わざわざ担当編集者と「この回のエッセイはこういうところがつまんない」とか対談してたりする。30歳過ぎてもこんだけクダラナイことを書けるっつーのはすごい才能ですなあ。ラストのおまけがまたすげえクダラナイや。著者が脚本を書いた「木更津キャッツアイ」は近々必ずチェックすることに決めた。 |
| 9/28 |
ZOO/乙一(集英社) |
★★★ |
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すげ。出来すぎだよ。インパクト充分の表紙、惹句、それにたがわぬ内容。今頃言ってもなんだけど、すげえ新人だあ・・・・。1本目「カザリとヨーコ」を読んだときには、そう思った。鳥肌までたった。でも、たまたま一気読みせず、少しずつ読み進めていったら、後半にいくにつれ「まあこんなもんか」的な読後感がどんどん強くなってしまった。最初の期待感が強すぎたんだろうか。どの短編も結構凝ってんだけどねえ。ちょっと読み手の責任を感じた。 |