| 7/3 |
ティモレオン/ダン・ローズ(アンドリュース・クリエーティブ) |
★★★★★ |
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質の高いショート・フィルムを立て続けに見たような充足感。読了後もずーんと心に響き続けているものがある。たぶんそれは痛みだ。ジンセイの本質的な痛み。だからこそ、響く。翻訳がすごくヤな部分もあるんだけれど、許す。傑作。 |
| 7/5 |
ナンシー関のボン研究所(角川文庫) |
★ |
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愛読していた(というほど更新もなかったけれど)ナンシーのHPを活字化。・・・なんだかなあ。ファン心理の隙を突きやがって。しかも、作りも安っぽいし。なめんなよ。
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| 7/5 |
無差別級/ナンシー関(河出書房新社) |
★★★ |
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一方、こちらの本はしっかりとしたつくり。単行本未収録の対論集。人選がすごい。こんなヒト(桂三枝、小宮悦子、林真理子、中野翠など)とやってたなんて。ま、ナンシーのノリは決してよくないのだが、そこがまた味わい深い。 |
| 7/7 |
HOOT/カール・ハイアセン(理論社) |
★★★★ |
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ううむ。非常によくできた児童文学。うちのバカ息子にもいつの日か読ませたい。いや、読ませるだろう。素敵なわくわくとどきどき。でも、大人って、ちょいとダークな部分がないと物足りなかったりもするのよね。贅沢よね。あはん。 |
| 7/9 |
天皇家の財布/森暢平(新潮新書) |
★★★ |
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宮内庁予算のあり方って面白い。拳を振り上げず、淡々と「財布の中身」を語る姿勢がいい。いろいろな問題を含む内容については、事実のみを語った方がより「考えさせられる」という見本のようだ。「トリビアの泉」に出せるネタ多数。へええええ。 |
| 7/10 |
八甲田山死の彷徨/新田次郎(新潮文庫) |
★★★ |
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現地を見た後なので、感慨深し。ストーリーがわかっていても、史実に基づいているだけに、その経緯に引き込まれる。ヒロイズムだけでないところもよし。ただな、ここまで書いておいて何で実名表記にしないのよ次郎。
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| 7/10 |
神様/川上弘美(中公文庫) |
★★★☆ |
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脱力系と勝手に名付けてやる。なんでそんなにリキまないでいられるわけ?どうしてそんなにわけがわからないことを書くの? ホントにあなたってヒトは。「だから何なんだよ!」というツッコミを入れる余地のなさが見事なまでの脱力系。こういうのは後からぐーっとくるのよね、たぶん。 |
| 7/15 |
ハワイッサー/水野スミレ(角川書店) |
★★★★☆ |
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思わず一気読み。専業主婦の平凡な(?)1日がこんなにも面白いとは。この小説を批判的に読むことはたやすいと思うけれど、ぼくはそういうヒトにはなりたかない。こういう自分に都合のいいポジティブさって、生きてくうえで結構大事よ。一歩間違うと身勝手ってことだけども、ちゃんと踏みとどまっている。子供にゃわかるまいて。 |
| 7/16 |
自転車ツーキニスト/疋田智(光文社・知恵の森文庫) |
★★★★★ |
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一方的同級生・疋田君の名著、だよこれは。「書きたいこと」があるヒトの文章は心を打つ。本人が「赤面する」ほどの真摯さが、文面に表れてこちらに訴えてくる。ときに、感傷に流されてしまっても、文章が巧いから素直に読める。自転車最高。 |
| 7/19 |
プラネタリウムのふたご/いしいしんじ(講談社) |
★★★★★ |
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冒頭、登場人物の名前から「今時、村上春樹シンドロームかよ」と思ったのが大きな間違い。いしいしんじはいしいしんじだ。逆さに読むと、じんしいしいだ。すごく小さな舞台、そしてなんだか具体性にかける寓話のような設定ながら、物語はそれこそ天空に瞬く星空のように、読者の心に、リアルに、どんどんと広がっていく。そして、ラストへの見事な収束。素晴らしいストーリーテーラー。これを読まずして夜明けのコーヒーは飲めない。 |
| 7/21 |
壊人/レックス・ミラー(文春文庫) |
★★ |
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悪役スーパーヒーローもの。アメリカンコミックそのものでちょっとゲンナリ。すべては主人公のためのストーリーである点がどうにもこうにも。後半の盛り上がりもイマイチだし。ただ、サブストーリーの捜査官の恋のシーンは、飾り物であるにしろ悪くない。 |
| 7/29 |
キャッチャー・イン・ザ・ライ/J・D・サリンジャー(白水社) |
★★★ |
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冒頭、ムラカミ訳っぽさにニヤリとしつつも、徐々に「やっぱり退屈だああ」という気分に。んで、なかなか進まなかったのだが、後半になって俄然面白くなった。野崎訳では(たぶん先入観もあって)ホールデンが「社会への反抗」なスタンスに終始していてウンザリした。ただの「うぜえヤツ」だったのだ。だが、村上訳では「うぜえ」というより「危ない」ヤツなのだ。自分自身へ刃を向ける危うさがとてもスリリング。「文体」でなく、「視点」の置き方の違いがぼくにはよかった。・・・なーんてことを薄ぼんやりと感じつつ読んだのだが、読了後、本来収録されるべきであった訳者解説(文学界に掲載)を合わせ読んで、至極納得。 |