海森殿堂 2003.1月ノミネート作品


1/8 読書力/斎藤孝(岩波新書) ★★★☆
後輩のサイトで読書王(?)と書かれて汗が出た。年間200〜300冊読まっしゃる諸氏が多々いらっしゃるを存じ上げっしゃるだけに、わずかに50〜100冊あたりをウロウロしているあたしゃあ読書番頭がいいとろです。最近は、軽めの本に流されまくってるし。そんな反省にたって新年1冊目はその名もズバリの「読書力」。隣の高校の同級生、ヒキタ君が大プッシュの1冊。んでね、内容的には明確な意図をもって書かれているだけに(子供に読書を。そうだそうだ!)、非常に面白かったんだけども(教養力の低下は国を滅ぼす。仰るとおり!)、如何せん教師調の文体だけは最後まで馴染めなかったっス。
1/13 池袋ウェストゲートパークV 骨音/石田衣良(文芸春秋) ★★★★
相変わらず、サクサクと愉しく読める。池袋って、東京のなかでも相当なじみが薄いエリアなんだけど、その空気感がビンビンに伝わる(もちろん物語上の街として)。同じ「街もの」でも、個人的には「鮫」より好き。何より、読んでて「小気味いい」。ただ、いい加減、主人公のマコトも、恋するとか、仕事するとか、大きな転換があってもいいのかな。直木賞の候補作になったらしいけれど、ん〜、それはないんぢゃねえか(注:結局落選)。山周賞の方が似合ってるよ。
1/18 ナショナリズムの克服/姜尚中・森巣博(集英社新書) ★★★★☆
博打小説として強烈な印象を残す「無境界の人」を書いた森巣博が、政治学者と対談した本。読んでみたらことのほか刺激的で面白かった。第1章こそ、浅学なぼくには眠気を及ぼすばかりであったが、在日韓国人である姜と、日本を飛び出し外から日本を眺めている森巣の、豊富な経験から語られる「民族論」は、正月ボケの脳をズッカンズッカンと蹴飛ばす。ううむ。それにしても、あまりにモノゴトを知らない自分にがっくし。
1/22 小さなスナック/ナンシー関、リリー・フランキー(文芸春秋) ★★★★★
便所本。面白すぎて読み終わりたくなかった〜。突っ込ませどころ満載のリリーのバカトークと、それにノリツッコミするナンシーがたまらん。それにしても、ナンシーの対談で、「私生活」を語ったものはなかったな。いいコンビだわこのふたり。ただ、既にナンシーの死を知っているだけに、後半は「死へのカウントダウン」ぽっくて、爆笑しながらもホロホロリ。
1/25 ライ麦畑でつかまえて/J・Dサリンジャー(白水社Uブックス) ★★
ううむ、困った。名作と呼ばれてる本なのに。どーもぼくには、その色褪せない芸術性とかスルドイ切れ味とかそんなようなものが、さっぱり理解できないらしい。でもな、面白くないものは面白くない。そもそも、15年前(!)に途中まで読んで「つまんねえ」と放り出した本を、「村上春樹が新訳するらしいし、その前にやっぱ読んどくか」という不純な気持ちで読み直した、からって、面白くなるハズはない。新鮮なフレーズがいくつもあったのは確かだけれど、50年代の不良は、00年代にはあまりに真っ当すぎてどうにもこうにも。
1/26 おわらない夏/小澤征良(集英社) ★★
知らない作家の本を選ぶとき、本屋でたまたま手に取ってしまう本と、書評などで「読む気」にさせられる本とがある。これは後者。かなーりいい評判をあちこちで目にした。確かに興味深い本ではある。が、「小澤征爾の長女」というゲタは、随分と高いんではないか。ぼくにはちょっとまぶしすぎる。

1/31 ビジネスマンのための新・教養講座/宮崎哲弥(洋泉社) ★★
軽〜い経済エッセイっぽいので読みやすいかな〜と思って買ってみたら、読みやすいにもほどがあった。新書なんだからもうちょっと、「意外にテゴワイ」と思いたいぢゃないか。期待してたあの!木村剛との対談も、なんか突っ込んだ議論になってないし。「新ビジネスマン」向けといったところか。

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