| 2/1 |
定年ゴジラ/重松清(講談社文庫) |
★★★★ |
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評判のよさばかり耳に入って、ずーっと気になってた重松清。マイナーを尊ぶ傾向のある「本の雑誌年間ベスト10」で1位(「流星ワゴン」)を取るに至っては、やっぱり読まねばならぬよのう、との境地にたった。
で。ううむ。やられたな〜。うまいな〜。うますぎるな〜。でもねえ、な〜んかズルイんだよな感動させ方がよ〜。ちきしょーめ。 |
| 2/1 |
アイドル政治家症候群/矢幡洋(中公新書) |
☆ |
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田中康夫、田中真紀子、石原慎太郎を心理学的に徹底分析!(帯の惹句)するのかと思ったら、単なる「分類」ぢゃねえの。たまには康夫ちゃんへの極めて真っ当な批判論を読みたいんだけれど、これって性格上の問題に終始してて、何ら政治力について批判できてない。些事末節ばかり。つーか、政治家に何求めてんだよお前、って感じ。あーこんなにつまらん本も久々。 |
| 2/6 |
趣味は読書。/斎藤美奈子(平凡社) |
★★★★☆ |
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ベストセラー本を次々に読み倒し、その「読者」の謎に迫る斎藤女史。こういう視点の切り替え自体が斬新だよなあ。超マイナー誌(月刊「百科」。何の雑誌だ?)連載だったせいか、いつにもまして毒が強い。冒頭の「読者とは何か」の考察なんぞは、嫌味たっぷりで耳が痛い。精神的M男プレイをしたような読後感である。今後、趣味は読書とは言うまい(平凡なオチ)。 |
| 2/8 |
日本ゴロン/桝野浩一(毎日新聞社) |
★★★☆ |
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俳句・短歌にまつわるぶんがくエッセイ。基本的にはすごく面白い。文章も文体も「くすぐりどころ」のツボにうまくはまってしまいますの。ただな〜、時々妙に「嫌」な気持ちになるところがあるのよね。それが何なのかは、最後までよくわかんなかったんだけど、たぶん、至極温和な風情のマスノ氏が、時折垣間見せる「どんよりどよよん」とした心の毒が、なんとなーく気持ち悪かったからではないか。相性が悪いのかも。 |
| 2/9 |
バースデイ・ストーリーズ/村上春樹編訳(中央公論新社) |
★★★ |
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アンソロジーだから(?)、好きなものもあれば嫌いなものもあって読後感はそれほどでもない。ぼくにはちょっと上品過ぎたか。が、内容よりも、店頭で見かけたときの方がインパクトがあった。「やりやがったな村上」と思った。内容的にはかなり地味な海外文学アンソロジーなのに、「プレゼントもの」としてのキチンと商品になってんだもん。このー商売上手。自分を知的にみせたい輩の誕生日プレゼントとかに最高。装丁も美しいし。ムラカミハルキだし・・・って思ってる自分もそういう輩。お気に入りの一品は「バースデイ・ケーキ」。 |
| 2/10 |
フライ,ダディ,フライ/金城一紀(講談社) |
★★★★★ |
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「レヴォルーションNo.3」の続編ではないような続編。金城作品は、最近の流行に逆らうかのように、一貫して明るくて(アダルトチルドレンは出てこない)、短い(1段組で250P程度)。それでも、腹の底にずしんっと力強いものが突き刺さる。これって、エンターテイメントとして完璧でないの。難しいことを言い出せば、いろいろ「難」はあるのだろうけど、ありそでなさそなポジションを開拓したという意味で大いに◎。 |
| 2/11 |
平壌ハイ/石丸元章(文春文庫) |
★★★★ |
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ノンフィクションと呼ぶにはあまりに個人的な体験記ではある。行き先が北朝鮮というだけで、たかが4泊5日の「観光」旅行なんだから。んが、たったそれだけの旅行(取材?)であるにも関わらず、作者が自分自身に「誠実」に徹した結果、読むものの頭をぐわしと掴み、無理矢理平壌へ飛び立たせ、強引にドラッグ漬けにし、羽交い締めにしてまで犬料理を食わせてしまう。ちょっくら行ってみようかな、平壌、と想ってしまったぼくは思うつぼ。 |
| 2/14 |
旅の理不尽−アジア悶絶編−/宮田珠己(新風舎) |
★★★★ |
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便所本。1章がちょいと長めで、長便所な今日この頃であった。笑いのパターンは意外にオーソドックスではあるけれど、アベレージが高い。堪えきれず「ぐはっ」と吹き出したことも数知れず。ま、便所なんだから堪えることはないんだけれど。ま、小さいことにはこだわらず、「ばかだねー」とせせら笑いながら読むのが正解。 |
| 2/21 |
本格小説(上)(下)/水村美苗(新潮社) |
★★★★★ |
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むぅ。こーゆー、力強く奥深く多彩な表情を持った作品を前にいったい何を語れるというのか。読み終わって10分とたってない「読みたてほやほや」のぼくの頭の中は、真っ白だ。アホみたいな感想だけれど、空白からは言葉はでてこないもんだよ。あえて言葉にするなら、「すげええ!」。もっとアホみたいだ。とにかく。ゴッドファーザー3部作を一気見!ぐらいの手ごたえである。 |
| 2/22 |
水人/中里尚雄(扶桑社) |
★★★☆ |
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同じ年の作者から突きつけられた、36年間の過ごし方の差。彼は「多くを犠牲にし、何かを掴んだ」。そして、ぼくは「何も犠牲にせず、何も掴んでいない」。掴んだものが何か、ということではなく、自分が掴もうとするものがあるのかないのか。そこなんだろうな、問題は。むぅ。文章からにじみ出る、誠実さと、真摯な姿勢に、寝ぼけた頭をぐらぐらぶん回された気分。むらむらとしてしまい、なんとなく7kmばかしジョギング(単純)。 |
| 2/23 |
アートサーカス サーカスを超えた魔力/西元まり(光文社新書) |
★★★ |
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大好きなシルク・ドゥ・ソレイユ関連本を初めて発見。アーティスティックに発展しつつあるシルク(サーカス)の現状を意欲的・多角的に取材している。んが、どうにも最も知りたい核心部分の「周囲」ばかりを追求しているようなもどかしさがある。それは、舞台の凄さの前にすべてが霞んでしまうということなのかもしれないが。 |
| 2/26 |
記憶スケッチアカデミー/ナンシー関・編著(カタログハウス) |
★★★★ |
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ぼくはいつまで死んだ子の年を数えるのだ。その昔、「立ち読みで充分」と思って買わなかった本まで買っている。それにしても、やっぱりすげえよナンシー。「記憶だけでものを書くと、自転車に足が生えたり、カマキリに眉毛があったりして笑える」という企画自体が面白いのではなかった。ナンシーのツッコミやら分析やらが可笑しいのだ。その表現に至った心理描写を暴く様は、ある意味本当にアカデミックであり、痛快でもある。立ち読みで充分と思ったのは、この「肝」を見落としていたのだった。あ〜、買ってよかった。 |